光沢ある靴に使われることが多いガラスレザーとエナメルレザーは、見た目が似ていて区別が難しいことがあります。
この記事では、これら二つのレザータイプの見分け方と、雨天時の耐久性について詳しく説明します。
エナメルレザーは雨に弱いと言われますが、実際のところはどうなのでしょうか？
今回は、ガラスレザーとエナメルレザーの特性と、それぞれの水に対する耐性を深堀りしていきます。
ガラスレザーとエナメルレザーの見分け方
ガラスレザーとエナメルレザーを見分ける方法にはいくつかのポイントがあります。それぞれのレザータイプの特性を理解すれば、簡単に識別することが可能です。
ガラスレザーとは、動物の皮を特定の化学薬品で鞣し、その後ガラス板やホーロー加工された鉄板に貼り付けて乾燥させた革のことを指します。
この加工法から「ガラスレザー」という名前がついています。加工後の革は表面が滑らかになり、顔料や合成塗料を厚く塗布して仕上げられます。
ガラスレザーの最大の特徴は、その顕著な光沢と、塗布された塗料が光を美しく反射することです。
さらに、撥水性、防水性、耐久性に優れ、日常生活の摩耗や水濡れに強く、従来の皮革の弱点である水への脆弱性や傷の付きやすさを克服しています。
メンテナンスが少なくて済むため、忙しい人々にとっても管理がしやすい素材です。
ガラスレザーはその高い耐久性とメンテナンスの容易さで知られていますが、一方でいくつかの欠点も持ち合わせています。
その最大の欠点は、「個性の欠如」です。革の表面を合成塗料で完全に覆ってしまうため、天然の革の持つ独特の風合いや味わいが消失し、結果的に人工的な印象を与えることになります。
一般的な革製品は使い込むほどに風合いが増し、色味も豊かになりますが、ガラスレザーは経年変化をほとんど示しません。
その理由は、厚い合成塗料層が革の自然な呼吸を妨げ、靴クリームなどの浸透を阻むからです。このため、長期間使用しても外観に大きな変化が見られないことが一般的です。
また、ガラスレザーの価格は耐久性と比例する傾向にあります。この革は本来、傷やシワがあっても加工過程でそれを隠すことができるため、劣った品質の原材料でも使用可能です。
これが、市場に安価で提供される理由の一つです。
しかし、価格が極端に安いガラスレザー製品は、使用される皮や合成塗料の質が低いため、耐久性に問題を抱えることもあります。
光沢が早く失われたり、穴が開きやすい問題が発生することがあります。そのため、ガラスレザーを選ぶ際は、低価格の誘惑に惑わされず、品質もしっかりとチェックすることが大切です。
ガラスレザーに続き、エナメルレザーの特性についても見ていきましょう。
エナメルレザーは、クロム化合物で鞣された革の表面にエナメルやポリウレタンといった樹脂を塗布して仕上げる方法で作られます。
この種のレザーは、しばしば高級パーティーシューズに使用され、動物の皮を基にしつつも表面がプラスチックのように滑らかで、高い光沢を持ちます。
エナメルレザーの最大の特徴は、その際立つ輝きです。非常に強い光を反射し、宝石のように輝くため、目を引きます。
これとは対照的に、ガラスレザーも光沢はありますが、エナメルレザーほどの強い光り方はせず、より控えめな光を放ちます。
エナメルレザーの明るい光は、水面が光を反射するような輝きを持ち、華やかな場にぴったりです。
しかしながら、エナメルレザーは見た目の魅力とは裏腹に、デリケートで汚れやすく、水分や湿気に弱いため、注意深いケアが必要です。
使用後は必ず乾拭きをし、定期的に良い通気を確保することが重要です。
エナメルレザーの美しさを長持ちさせるためには、映画スターが舞台に上がる前に行うメイクのような手入れが求められます。
そのため、パーティーなどで光り輝くためには、適切な手間をかける必要があります。
エナメルレザーとガラスレザーを見分ける方法の一つは、光の反射の仕方です。エナメルレザーは水に濡れたような鮮やかで頼りない光り方をしますが、ガラスレザーはより落ち着いた鈍い光を放ちます。
ガラスレザーとエナメルレザーの違いについて
ガラスレザーとエナメルレザーは見た目が似ているため、一見すると区別がつかないこともありますが、実際にはいくつかの顕著な違いが存在します。
ここではそれぞれの特徴を詳しく解説します。
違い①：加工法の違い
ガラスレザーは、クロム化合物で鞣された革をガラス板やホーロー板で乾燥させた後、厚く合成塗料を施します。
対してエナメルレザーは、クロム化合物で鞣した革にエナメルやポリウレタンなどの合成樹脂を塗布して仕上げられます。
違い②：撥水性の差
ガラスレザーは撥水性が非常に高い合成塗料を使用しているため、水に非常に強い特性を持っています。
一方でエナメルレザーは撥水性や防水性が低く、水が革に浸透しやすい状態です。
違い③：耐久性
ガラスレザーは合成塗料の効果で耐久性が向上しており、ビジネスシューズなど頻繁に外で使用するアイテムに適しています。
しかし、エナメルレザーは比較的耐久性が低く、荒い使用には向いておらず、表面がヒビ割れることがあります。
違い④：メンテナンスの必要性
ガラスレザーは初めから高耐久で汚れにくく、光沢が持続するため、ほとんどメンテナンスを必要としません。反対にエナメルレザーは使用後の手入れが欠かせない素材で、磨きやシワの伸ばし、通気を行うなどの定期的なケアが必要です。
雨天時のガラスレザーとエナメルレザーの性能比較
普段履く靴選びにおいて、雨は避けたい気象条件の一つです。裸足なら何の問題もありませんが、靴の場合は雨に強いタイプとそうでないタイプがあります。
雨に弱い靴を選んでしまうと、足元が濡れたり靴が傷んだりすることがあります。
それでは、ガラスレザーとエナメルレザーは雨にどれほど耐えられるのでしょうか？
ガラスレザーの雨への耐性
ガラスレザーは一定の撥水性を持ちます。完全に水をはじくわけではないものの、軽い雨なら問題なく対処可能です。
ただし、大水たまりなどには向いておらず、そういった状況では防水の長靴が適切です。それでも、通常のビジネスシーンでは長靴を履くことが少ないため、ガラスレザーの靴が非常に役立ちます。
エナメルレザーの雨への耐性
一方、エナメルレザーは水への耐性が低く、湿気にも弱いです。雨の日にエナメルレザーの靴を履くことは避けるべきです。
もし雨の日にパーティー等でエナメルレザーの靴を履かなければならない場合は、屋内に着くまでは別の靴で行き、到着してから履き替えるのが最適です。
まとめ
見た目は似ているガラスレザーとエナメルレザーですが、雨天時の対応には大きな違いがあります。
エナメルレザーをガラスレザーと同じように扱うと、すぐに損傷する恐れがあります。
各レザーの特性を理解し、状況に応じて適切に使い分けることが大切です。
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